ぶたのひとり言

趣味のことなどいろいろ書いたりです。 この日記も整理中なので内容とか表現を変えるかもです。

パフューム〜ある殺人犯の物語(ネタバレ注意!)

chan01232007-03-14

シネマ・メディアージュにで鑑賞。この映画のCMがテレビでやっていて、驚きの大衆のシーンが流れたが、もしくだらなかったらどうしようと思い、不安になって見たがかなり面白かった。ちょっと汚い場面もあったが、においというものを映像で表現するとこのようになるのかと思った。


以下ネタばれ…&勝手な解釈

類い稀なる嗅覚を持って生まれたこの青年にとって香りは自分の存在証明で、自分にはその存在の証明となる体臭がないということに気付き、やがてその存在証明は人に注目されることだということに気付く。人々に認めてもらい、尊敬されるためにとうとう究極の香水づくりを始める。それは自分が魅了された香りと同じものをあつめること。そしてそれは、殺人という忌わしい行為にもつながっていく。しかし、本人は目的のために人間的な罪悪感を感じることなく次々と罪を犯していく。とうとう捕まりいよいよ処刑されようとするときに人々に注目され、崇めたてまつられることに成功するのだが、結局民衆は究極の香水を作っても決してそれは自分に対するものではなく、自分は孤独で愛される存在ではないのだと気付きかえってその事実に愕然とする。そして初めて自分の求めていたのが、最初に殺したあの魅力的な女性に惹かれたように自分も女性を惹き付けたかったのだと気付く。そこで初めて彼は愛されたいという人間的な感情に目覚めるのであった。それは後の祭りで同時に生きることに対する絶望でもあった。


ところでたまに映画のCMで腹が立つことがあるが、今回もそうであった。結末が想像できるようなシーンを流すのは本当に辞めてほしい、人の裸のシーンを出せば、客が増えるだろうというとても下品なやり方で、しかも今回はそのようなところを流さなくとも十分期待できるような内容であったのだ。ほんとうにテレビのえげつなさにはいやになる。